12〜13世紀イタリアの聖人。フランシスコ修道会創立者、イタリアの守護聖人。聖フランチェスコともいう。 アシジの裕福な家庭に生まれ、ラテン語・フランス語・文学(詩)を学んだ後、軍人となった。 20代前半で捕虜となり、スポレトの街でで幻を見て回心、アシジに戻り、財産を売り払って教会に寄進し、自らは清貧の生活に入った。 弟子が多く集まると、彼らのために戒律をととのえ、ヨーロッパ各地に説教者として派遣した。彼らは1209年、教皇インノケンティウス3世によって修道会として認可された。(志を同じくする女子修道会「クララ会」の創立は1212年。なお、新しい戒律の認可は1223年)。 聖フランシスコは、世界のすべてが神の美しさの映しであると捉え、全被造物を「わが兄弟姉妹」と呼んだ(→Brother Sun, Sister Moon)。 1219年にはエジプトでイスラムの支配者に教えを説き、当時イスラムの支配下にあったエルサレムの聖地巡礼を許可された。 1224年の夏、ラベルナ山において幻を見、聖痕(せいこん…… stigma, 複数形 stigmata。キリストが十字架上で受けた傷と同じ傷が、手足・わき腹など肉体上の随所に現われ、激しい痛みを伴う)を受けた。(聖痕を受けた最初の聖人。) 晩年は盲目となったが、鳥や動物たちと話すことができたという逸話など、さまざまなエピソードとともに、世界中で慕われている聖人である。 記念日は10月4日。 |